フロートガラス
最も一般的なガラスです。
フロート法という製造方法で製造されており、厚みは2,3,4,5,6,8,10,12,15,19㍉などがあります。
仕様やサイズにもよりますが、棚板は5,6,8㍉程度、ファサードやパーテーションには8,10,12㍉程度を使用することが多いです。

強化ガラス
フロートガラスを炉に入れて熱処理を施したガラスです。
ガラスの面の強度が高い代わりに、ガラスの小口は弱いという特徴があります。
また、割れる時には一気に粉々に砕けるため、大きなガラス片が発生しないという意味では安全です。
耐熱温度が200°程度のため、家庭用のキッチンの間仕切りに使われることもあります。
また、テンパドア(テンパードア)というフレームレスのドアにも使われます。
厚みは4,5,6,8,10,12,15,19㍉などがあります。
スクールテンパガラスという学校や幼稚園で使用される強化ガラスには、主に4,5,6㍉のものがあります。

型板ガラス:
主にロールアウト法という製造方法で製造されており、ガラスの片面に凹凸が付けられています。
ガラス越しの景色がモザイクがかって見えるため、視線を遮る効果があります。
厚みは4㍉,6㍉などがあります。
ワイヤー入りガラスの場合は、6.8㍉と10㍉があります。

輸入型板ガラス(デザインガラス・アンティークガラス):
SAG-011モニュメンタルやMOL-001モールガラス、CHG-002チェッカーガラス(リストラルM)など、
フランスのサンゴバン社等で製造された輸入板ガラスで、カフェやオフィスのパーテーション等によく使用されています。
他にも石目調のSAG-027サハラやSAG-022キャセドラル、泡入りのSAG-025アルトドイッチェKなどもよく使われます。

網入りガラス・線入りガラス
ワイヤー(金網)が封入されたガラスで、厚みは6.8㍉と10㍉があります。
ワイヤーの種類によって菱ワイヤー・クロスワイヤー・線入り(パラライン)の3種類があり、それぞれに型と透明の2種類があります。
特に透明のワイヤー入りガラスは、デュープレックス法という製造方法によって製造されています。
火災時にガラスが割れてもワイヤーのおかげで脱落せずに持ちこたえられるため、防火用のガラスとして扱われます。
ただ、熱割れしやすいことやワイヤーが錆びることなど、使用上のデメリットもあります。

タペガラス・フロストガラス:
フロストガラスはガラスの表面をサンドブラスト加工したもの、
タペガラスはサンドブラスト加工後、さらに薬品加工によりタペ加工したものです。
パーテーションや間接照明のカバーとしてよく用いられます。
厚みは5,6,8,10,12,15,19㍉などがあります。
強化加工することにより、強化タペガラスも製作可能です。

高透過ガラス:
フロートガラスよりも鉄成分が少なく、より高透明なガラスです。
博物館や美術館の展示ケースや宝飾店のショーケースによく使用されます。
厚みは5,6,8,10,12,15,19㍉があります。

高性能熱線反射ガラス(遮熱ガラス):
ガラス表面に銀などの金属をスパッタリングし、Low-E膜という薄い金属膜を蒸着させたものです。
セントラル硝子のスカイクール、日本板硝子のレフライト、AGC(旭硝子)のサンルックスなどがあります。
遮熱性能が高く、ビルの窓などに使われており、外部から見るとガラス面がミラーのように反射して見えます。

熱線吸収ガラス(色ガラス):
ガラスそのものに色が付いている半透明のガラスです。
グレーガラス・ブロンズガラス・グリーンガラスなどがあり、棚板や天板、扉に使用されています。
AGC(旭硝子)のサンユーログレー・サンユーロブロンズ、セントラル硝子のグリーンラルなどがあります。
厚みは5,6,8㍉などがあります。

合わせガラス:
2枚のガラスを強靭な中間膜で加熱圧着したガラスです。
耐貫通性に優れ、中間膜による飛散防止効果と紫外線カットの効果もあります。
中間膜とガラスの組み合わせにより、防犯合わせガラスや防音合わせガラス、
中間膜が乳白色の合わせガラスや、和紙・布等を封入した合わせガラスも製作可能です。

ペアガラス(複層ガラス):
2枚のガラスの間に空気層やガス層のあるガラスです。
空気層により熱が伝わりにくいため、断熱効果や結露の防止効果があります。
防犯ペアガラスや防音ペアガラスなども製作可能です。
セントラル硝子の窓ンナ、日本板硝子のスペーシア、AGC(旭硝子)のペアスマートなどがあります。
より断熱性能の高いLow-Eペアガラスはエコガラスとも呼ばれます。

床用ガラス:
強化合わせガラスにノンスリップ加工が施されたガラスです。
博物館の床展示や、階段などに使われています。

耐熱ガラス:
熱膨張率が低く、高温や急冷に耐えられるガラスです。
高温となる炭火焼のパーテーションや、暖炉のガラスに使用されています。
テンパックスやファイアライト、パイレックスなどの種類があります。

耐熱強化ガラス:
防火区画や防火設備・特定防火設備等に使用される強化ガラスです。
網がない防火ガラス(ワイヤレス防火ガラス)として、網入りガラスの代わりに使用されることもあります。
セントラル硝子のファイアレックス、AGC(旭硝子)マイボーカ、日本板硝子のパイロクリアなどがあります。

鉛入りガラス:
鉛を含有した、放射線遮蔽性能のあるガラスです。
病院のレントゲン室などに使われており、放射線遮蔽性能を示す数値には「mmPb」という単位が用いられています。
ガラスの厚みは性能ごとに一定ではなく、多少の振れ幅があります。
また、鉛入りガラスの表面に直接触れると曇り(ヤケ)が発生してしまうため、合わせ加工されたものがおすすめです。